概要:現役ゲームプランナーの視点から「アクションゲームのヒットストップ」について紹介!
プロフィール:わたなべ りょう
▼略歴
・明治大学政治経済学部卒
・株式会社カプコンに4年半勤務
・ゲームプランナー/アクションプランナー
・フリーランスとして独立
・特技は「テコンドー」「カポエイラ」
▼制作実績
・モンスターハンター ライズ
・モンスターハンター エクスプロア
・小説「LANCASTER《ランカスター》」
アクションゲームのヒットストップとは
具体的には、以下の通りです。
ほとんどのアクションゲームには「ヒットストップ」と呼ばれる処理が入っています。ヒットストップとは、攻撃した際の手応えを表現するための補正のことですね。例えば、刀で斬った際と大剣で斬った際に同じ手応えだとリアリティがないので、武器ごとにヒットストップの強弱をつけるといった具合です。
— わたなべ りょう@GamePlanner (@Studio_Creeat) September 11, 2021
ほとんどのアクションゲームには「ヒットストップ」と呼ばれる処理が入っています。ヒットストップとは、攻撃した際の手応えを表現するための補正のことですね。例えば、刀で斬った際と大剣で斬った際に同じ手応えだとリアリティがないので、武器ごとにヒットストップの強弱をつけるといった具合です。
普段からアクションゲームをプレイしている方であれば、想像しやすいかと思います。
"手数が多い短剣"と"一発のダメージが大きい大剣"では、斬った際の手応えが違いますよね。
ヒットストップは、こうした手応えを表現するための処理となります。
ヒットストップの原理・仕組み
簡単に言えば、以下の通りです。
・攻撃がヒットした際、プレイヤーの攻撃アクションにディレイを掛ける
・攻撃がヒットした際にディレイを掛けることで攻撃した際の手応えが生まれる
原理は、たったコレだけですね。
どれくらいディレイを掛けるかは武器次第です。
基本的には、一発の攻撃が強い鈍重な武器になればなるほど、ディレイも強くなる感じですね。
ヒットストップのありなしで何が変わる?
ヒットストップが全くない場合、リアリティは欠けると思います。
なぜなら、片手剣で斬っても大剣で斬っても、斬った際の手応えが一緒だからです。
リアルで考えてみれば、分かりやすいと思います。
玩具のバットと本物の金属バットで球を打った際、明らかに金属バットの方が手にズシリと来ると思います。
ゲームでは、このズシリとした感覚を表現するために、ヒットストップを掛けているわけです。
ヒットストップのメリット/デメリット
具体的には、以下の通りです。
・武器ごとに手応えを表現することができる
・ヒットストップを掛け過ぎてしまうとアクションが使い辛くなる
ヒットストップは、手応えを出すのに有効です。
しかし、だからと言って、強めにヒットストップを設定してしまうと、その分だけ武器アクションにディレイが掛かることになります。
つまり、操作性・テンポが悪くなる可能性があるので、ヒットストップはゲームプランナー側にて慎重に調整する必要があります。
ヒットストップの定義
最後にもう一度まとめておきますね。
・ヒットストップ=武器ごとに手応えを表現するためのディレイ補正
・ヒットストップのメリット=手応えを表現できる
・ヒットストップのデメリット=強く掛けると操作性・テンポが悪くなる
ゲーム開発に興味がある人へ
これからゲームを作ろうと思っている方は、Unity2020入門もしくはUnreal Engine 4で極めるゲーム開発を読んでおくとイイと思います。
開発現場では、基本的に「Unity」もしくは「Unreal」と呼ばれるゲームエンジンを使っているので、勉強しておくと役に立ちますよ。
今回はこんな感じで終わりたいと思います。