概要:『中世ヨーロッパの靴・履物』について一挙紹介!
ストーリーで学べる中世ヨーロッパ:靴篇
ストーリーで学べる中世ヨーロッパとは
あなたは、ある日、現代から中世ヨーロッパにタイムスリップしてしまう。
あなたの目的は、再び現代に帰ること。
あなたは、知識を身に付けながら過酷な中世ヨーロッパを生き抜く決心をする。
あなたは、女騎士に連れられて、靴屋に来た。
履き潰したあなたの靴は、見るに堪えないみすぼらしい様子だ。
マルグリッド・オブ・ランカスター
服と一緒に靴も用意しよう。好きな物を選ぶが良い。
あなたは、現代と異なる靴の様子に驚く。
尚、「ストーリーで学べる中世ヨーロッパ」シリーズについて最初から読みたい方は、以下記事を読んでみてください。
【中世ヨーロッパ】庶民の靴はもっぱら革靴だった
中世ヨーロッパの庶民の履物としては、しばしば、革靴が使用されていました。
しかし、革靴と言っても、現代の革靴のような形ではありませんでした。
当時の革靴は、ソール(底)部分に厚い革が敷かれていました。
また、皮の端に開けられた小さな穴から組紐が通されていました。
靴を履いたり脱いだりする際は、組紐を縛ったり緩めたりして履いていました。
尚、とりわけ貧しい者については、裸足だったようです。
【中世ヨーロッパ】靴の材料は牛革・鹿革・狼革など
中世ヨーロッパの革靴の材料としては、牛革・鹿革・狼革などの動物の革などの硬い革が使用されていたようです。
羊などの革は、あまり好まれなかったようです。
なぜなら、柔らかいためです。
履物として使用するため、そこそこ強度がある革が好まれたようです。
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ストーリーサイド
あなたは、なじみ深い牛革の靴を手にした。
しかし、残念。
履き心地は、現代の革靴とは違って、クッション性が著しく悪い。
慣れないあなたは、まもなく足裏にタコができてしまった。
【中世ヨーロッパ】貴族の靴は尖っていた(プーレーヌという靴)
貴族の靴は、庶民の革靴とは違って、見た目が華やかになっていました。
貴族は、プーレーヌと呼ばれる先が尖った革靴を好んで履いていました。
プーレーヌの先には、高価なクジラのヒゲが使用されていました。
先を尖らせて目立たせることは、富裕層にとってのステータスだったようです。
靴に無駄づかいをできるほどの経済力があるという顕示だったのでしょう。
尚、16世紀頃になると、背を高く見せるために、ヒールが好まれて履かれるようになりました。
【中世ヨーロッパ】履き物(靴・革靴):まとめ
- 庶民の靴はもっぱら革靴だった
- 靴の材料は牛革・鹿革・狼革など
- 貴族の靴は尖っていた(プーレーヌという靴)
ストーリーで学べる中世ヨーロッパ:靴篇 -完-
果たして、あなたは本当に再び現代に帰ることができるのだろうか。
ひとまず服と靴を新調したあなたは、気持ちを新たに入れ替える。
次話:臭いという問題
尚、中世ヨーロッパを舞台とした作品を書きたい方は、以下1冊があると便利だと思います。
創作に役立つ中世ヨーロッパ知識