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ゲームのHDRとSDRとは【メリット/デメリット】

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ゲームのHDRとSDRとは【メリットデメリット】
概要:現役ゲームプランナーの視点から「ゲームにおけるHDR(ハイダイナミックレンジ)とSDR(スタンダードダイナミックレンジ)」について紹介!

 

 

 

プロフィール:わたなべ りょう 

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▼略歴
・明治大学政治経済学部卒

・株式会社カプコンに4年半勤務

・ゲームプランナー/アクションプランナー

・フリーランスとして独立

・特技は「テコンドー」「カポエイラ」

 

▼制作実績

・モンスターハンター ライズ

・モンスターハンター エクスプロア

・小説「LANCASTER《ランカスター》」

 

 

 

ゲームにおけるHDR(ハイダイナミックレンジ)とは

 

 

ゲームの画面設定にてよく見られる「HDR」とは、簡単に言えば、"輝度のレンジを拡張する技術のこと"です。表現できる明暗のレンジが上がるため、ゲーム映像もよりリアル調に見えるようになる感じです。とりあえず、映像を綺麗に見せる補正技術だと思って貰えれば、イイと思いますよ。

 

 

HDRは0.0005~10000 cd/m2まで表現可能

 

そんなに難しい話ではないので、警戒しないで大丈夫ですよ。

 

カンデラ(cd)とは、簡単に言えば、以下の通りです。

 

 

 

・カンデラ(cd)=光の強さ

 

・カンデラの値が大きければ大きいほど、明るさの幅も上がる

 

・カンデラの値が小さければ小さいほど、暗さの幅も上がる

 

 

 

ザックリこんな感じですね。

 

一言に「明るさ」と言っても、実際には「やや白め」「白め」「かなり白め」といった具合に様々です。その逆もまた然りです。

 

HDRはこの明暗の表現の幅が広いため、明暗のコントラストがハッキリして綺麗に見えるというわけです。

 

一方、HDRではない通常の映像は「SDR(スタンダードダイナミックレンジ)」と呼ばれています。

 

 

 

ゲームにおけるSDR(スタンダードダイナミックレンジ)とは

 

 

SDRは、HDRに比べて、輝度のレンジが極端に制限された映像技術になります。具体的には、以下の通りです。

 

SDR:0.05~100 cd/m2

HDR:0.0005~10000 cd/m2

 

このように、SDRは明暗のレンジが低いため、「明るい場所は白とびして見える」「暗い場所は黒つぶれして見える」といった具合です。

 

 

SDRは全体的に暗いし白い

 

SDRのゲームをプレイしてみると、分かると思います。

 

SDRのゲームは、暗い場面では、全体的に画一的に暗く見えるはずです。

 

また、明るい場面では、白飛びして見えるはずです。

 

 

 

 

SDRとHDRの比較【暗さと白さに注目】

 

SDR(スタンダードダイナミックレンジ)とHDR(ハイダイナミックレンジ)の違いは、以下の通りです。

 

 

 『ガメラ3邪神〈イリス〉覚醒』SDR/HDR比較篇

引用元:KADOKAWA映画

 

 

見てもらって分かると思います。

 

HDRの方が全体的に明暗のコントラストがハッキリ出ていると思います。

 

暗い場面でも見やすくなっていますよね。

 

 

 

 

HDRにすると映像は綺麗に見えるけど負荷は掛かる

 

明暗の幅を広げるということは、それだけ処理負荷も上がる感じです。

 

当然、負荷が上がれば、フレームレートも低下します。

 

つまり、端末のスペックによっては、カクついて見えやすくなってしまいます。

 

 

 

フレームレートを優先したい場合

 

HDR対応をしているアクションゲームは、オプション画面から「HDRに関するON/OFF」が選べるようになっているはずです。

 

フレームレートを優先したい場合は「OFF」にした方がイイですよ。

 

フレームレートについてよく分からない方は、コチラの記事を読んでみてください。

 

 

 

 

 

ゲームにおけるSDRとHDRのメリット/デメリット

 

最後にもう一度まとめておきますね。

 

 

 

・SDRは輝度のレンジが狭い(0.05~100 cd/m2)

 

・そのぶん負荷は少なめ

 

・HDRは輝度のレンジが広い(0.0005~10000 cd/m2)

 

・HDRにすると明暗のコントラストがハッキリ出て綺麗に見える

 

・でも、HDRにすると、負荷は上がる(=フレームレートが下がる)

 

  

 

大体こんな感じです。

 

今回はこんな感じで終わりたいと思います。

 

 

 

レンダリング周りについて勉強したい方へ

 

ゲームのレンダリング周りに興味がある方は、この書籍を持っておくと勉強になりますよ。

 

デザイナー志望の方だけではなく、ゲームプランナー志望の方にも参考になると思います。

 

 

 

今回はこんな感じで終わりたいと思います。